起業している人間が実感した「日本に起業家が少ない理由」
今まで色々書いてきたけど、日本に起業家が少ない理由は、そんなに単純じゃないと思っている。
ちなみに関係ないけども
縦は「自己抑制キャパシティ」、簡単に言えば「どの程度くだらんことに耐えられるか」ということ。
これはどこに依存するかというと、ビジョンや理念を持っている社長。だから、賢い投資家(というか殆ど創業者)はそこを聞いてくる。
まぁ、如何に人生で精神や体力を鍛えてきたか?という基礎能力ももちろん必要だけど。
404 Blog Not Found:起業ドロップアウトの行き着く先は – 書評 – マイクロソフト戦記
日本に起業家が少ない理由。それは中途採用が少ないから。
そんな簡単じゃないよ。
なぜ自分は起業し(た|ない)のか?って考えるとわかりやすいんじゃないかなぁ。
単純に言えば、「リスクが高すぎなわりにメリットも少ない。」から、誰も起業しないし、大きな成功もしない。
なので、成功例も少なく、宣伝効果もなく、一般の人の選択肢に入らず、誰も起業せず、起業した企業にも入りたがらず。
成功しないから、投資も少なく。成功してもリターンが少ないから、投資もできず。
という悪循環。どこかで誰かがこの悪循環を切らないといけないと思うけど、個人レベルじゃ相当キツイですよ。
結論だけ簡単に思いつく限りで箇条書きしちゃう。
資金調達面
・起業時に資金調達がしづらいから (エンジェル投資家の問題)
・斬新なアイディアに投資されることはほぼないから (売上重視)
・eixt方法が、上場しかなく、バイアウトができない、認められないから
・必要な時に資金調達できず、お金が儲かってこないと資金調達できないから
投資面
・そもそも、日本ではベンチャーへの投資額がアメリカと全然違う (年金のお金が入ってこない)
・ベンチャーに投資するより、企業再生してバリューをつけて売った方が早くて確実で儲かるから
・投資をしてもリターンが少ないから
・バイアウト先となる企業がないから
・VC,ファンドにお金が回って来ないから
・良いと思える企業がないから
・エンジェルの投資ネットワークがないから
・セカンダリーファンドがなくExitパターンが少ないから
・Exitした人達が自らGPになりVCを立ち上げないから
人材面
・人材の流動性が低くて、ベンチャーに人が来ないから (意識の問題)
・解雇規制のため、人も雇いづらいし、解雇させづらいので、倒産しやすいから
・人材バンクがないから (機動的にCEO,CTOなどすぐ得ることができないから)
・大企業からベンチャーに行くメリットが少ないから
・起業をサポートできるスキルのある人がほとんどいないから (ベンチャーキャピタリストとか)
・自分で投資の判断ができるベンチャーキャピタリストがほとんどいないから (日本で10人という話も)
・経営者という仕事が成立していないから
環境面
・起業するメリットが小さい (Exitしても大したことない。市場の問題でもある)
・金銭的リスクが大きすぎるから (株式会社なのに、なぜか借金を背負う)
・起業をサポートする体制がほとんどないから (メンター、VCなど)
・何度も起業できない。一度失敗すると、再度起業しづらい。借金を返すなどで再度起業するのに時間がかかるから。(何回でも失敗できる環境がないから。)
精神面
・「失敗した人」=「能力のない人」って思っちゃう人が多いから (アメリカでは失敗した人の方に出資する)
・あこがれるような起業家が少ないから (実際に少ないのではなく、あまり目立たないだけかな。日本が起業家を叩くから、むしろ目立たなくしているらしい。)
・起業した人、失敗した人を尊敬する風土がないから (協力を得るのも難しいというか、小ばかにされる感じ)
・成功者が、これからの起業家を育てようという風土がないから
・「小さな企業なんていつ潰れるかわからないから取引したくない」と思うから
・外側ばかりで中身を見る力が弱いから
・チャレンジするよりも、自分の生活がちゃんとおくれればいい人が多いから (裕福だから)
・日本自体が恵まれていて、ハングリー精神にかけてきたから (アメリカはアメリカ以外から来た起業家がすごかったり)
・日本という国のことを考える人が少なくなってきたから
・家族など周りの人間が起業を嫌がるから
知識面
・そもそも起業という選択肢が一般の人の頭にないから (もっと起業のメリットをみんな言おうよ)
・exitとか、ストックオプションによるキャピタルゲインとかのことを一般の人は知らないから
・資本主義、株式会社、市場、社会とは?働くとは?生きるということは? の知識を学校で教えないから
・ベンチャーや起業するということが、社会的にどんな意味を持っていて、どんな価値があるのか?の知識がないから
・小さい会社があったとして、それが中小企業なのかベンチャーなのかの区別がつかない、何がどう違うのかがわからない人が多いから
こんなものかなぁ。
複合的な問題なので、徐々に解決しないと無理だと思います。はい。
解決するのに20-30年位かかるんじゃないかな。その前に日本がやばくなっている可能性もあるけど。
編集:
・2009-1-19 0:30 環境面を資金調達面、投資面、人材面、環境面にわけてみた。
・2009-03-14 18:57 ちょっと編集してみた。
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2009-1-18 日曜日 at 3:19 pm
ふーむ、興味深い考察 ありがとうございました。
2009-1-18 日曜日 at 10:10 pm
>>解決するのに20-30年位かかるんじゃないかな
結局この呪文一つで「今の若者」のやる気が削がれるわけですね。
狼男を殺す銀の弾丸は無い、けど20、30年後あるよ、と言われて今の子たちが狼男と戦う気が出るんですかね。
ぶっちゃけ20、30年後も同じ呪文が蔓延っていると思います
――「解決するのに20-30年ぐらいかかるんじゃないかな?」
2009-1-18 日曜日 at 10:32 pm
>結局この呪文一つで「今の若者」のやる気が削がれるわけですね。
それでやる気が削がれる人は、起業しない方がいいでしょうね。起業に向いていないですから。
それでも戦っている人は、今も沢山いるわけで。
やる人はやりますよ。そういう人は、他人の意見なんて関係ないですから。
2009-1-19 月曜日 at 4:14 am
すばらしい!
挙げられている点を見てやっぱり皆同じようなことを感じているのだなと思いました。
なんというか日本とアメリカは遺伝子から違いますよね。
アメリカンドリームを目指して多種多様の人が集まったアメリカと質素倹約こそ是としてお金儲けに対してどうも全面的に肯定できない風土の日本。
アメリカ人ならアメリカを支えている自国の人TOP10にセルゲイ・ブリンやスティーブ・ジョブズが入るのでしょうが、日本では多分イチローや北野たけしなどが上位に挙がり企業人である岩田聡氏や孫正義氏を挙げる人がどれだけいるか。
日本が世界から一目置かれ、一流国家として名が通っているのは半分くらいは経済大国二位という地位があるからだと思いますがなんというか普通の人にそういう意識ってあまりないように感じます。
交渉力が弱く軍事カードがない日本人にとって経済力は唯一といっていいほどの強力なカードでしょう。
それを守り強くしていかなければならないビジネスマンとリーダーたる経営者がどれだけ大切なのかという教育をもっとするべきだと、学校の授業で渋沢栄一や本田宗一郎なんかの立志伝を学んでもいいと思うんですけどねえ。
2009-7-8 水曜日 at 2:15 pm
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